DUCATI Multistrada  (2010)

 

再び、Lツインの鼓動を楽しめることになりました。
(所有期間 : 2010 ~ 2015)





プロフィール
不具合
純正アクセサリー
モディファイ


■ プロフィール

試乗にて車種変更
  大きく重いBMW K1200GTからの乗り換えはDUCATI Sports ClassicシリーズのGT 1000 Touring と決めていた。レトロなスタイル、空冷ツインエンジン、専用オプションにはレザー製サイドバッグも用意されている(クリックで拡大)。
 
  しかし、乗ってしまった新発売のこのバイクは現時点での最高のシステムと魅力的なパーツが盛りだくさん。決して急が されることのないトルクフルなエンジンも素晴らしい。すっかり気に入ってしまった。気になったのは片足つま先立ちのシート高と幅広のハンドル。試乗後にR12GSにまたがると、なんと自然なことか。アフターパーツの販売を望みたい。

そして購入
  ディーラーの巧妙なセールストークに撃沈し、翌日には発注。夏休みには楽しめるようだ。ツーリングにクルーザー的快適さをくれたK12GTとはお別れになってしまう。
同時オーダーのオプション装着写真 (画像のクリックで拡大)。
    

軽さが楽しい
  馴らしのため、ワインディングに持ち込む。マニュアルには1,000kmまでは5,000rpmに押さえるよう記載されているため、廻りたがるエンジンをなだめながらコーナーを抜ける。腰が高めだが、さらりとクリア出来るのは軽量車の利点。
しかし、後輪ブレーキの効きがもう少し欲しいし、タイヤは一般品に交換したい。

R1200GSと乗り比べ
  ツインカムとなった2010年モデル試乗車を峠で乗り比べ。こちらも新車のため5,000rpmに押さえた。またがると手を伸ばした位置にグリップがあり、ニーグリップ部にもクッションがある。始動時こそ右に 揺られるが、発進を含めて縦置き搭載の癖は押さえられている。上まで回しても嫌がる感じもないのはツインカム故か。フロント19インチのため、倒し込みによっこらしょといった感じはあるがその後は素直にラインをトレース、十分に走れる。
長距離ツーリングにはBMWがベストと再確認、パニアケースの出来の良さも素晴らしい。GSでも良かったかなとふと思ってしまった。

走行モード切替の効果
  4つのモード(スポーツ、ツーリング、アーバン、エンドューロ)の切替により、サスセッティングのみならず、トラクションコントロール、ABS、エンジン特性 までもが瞬時に切り替えされるのだ。
まずはスポーツモード、吹けの良いエンジンと堅めのサスにより峠が楽しい。アクセルを開けたまま後輪ブレーキを残して進入、クリッピングポイントでアクセルを更に開けると路面を蹴るようにして駆け抜ける。アップハンドルだが十分にコーナリングを楽しめる。
アーバンモードは街乗り用。サスは柔らかくなり、エンジンもマイルド。おとなしくなり、ゆったりと流すことが出来る。
ツーリングモードはこの中間の感じ。エンドューロは未確認。
ユーロ仕様ではスポーツとツーリングは150馬力、他は100馬力に押さえられる。この春(2010年4月)モデルから厳しくなった騒音規制により、国内仕様では全てのモードで102馬力に押さえられてしまう。BMWのようにユーロ仕様との差を小さくして欲しい。

ツーリング用途には
  ・ハンドル幅が広すぎる
エンドューロ走行を考慮したのだろうが、そんなところを疾走するつもりは無いので、GSのハンドルが羨ましい。たぶんサードパーティからパーツの供給があるはずだ。

・キセノンランプが欲しい
グリップヒーターまで装備しながら、なぜキセノンランプ(HID)を採用しなかったのか残念。反射部も小さく プロジェクタータイプの方が良かったのではないか。

・パニアの出来は?
開閉に常にキーが必要なのは×、操作方法も変。更にベースとフタに隙間があり、防水効果は期待できない。 取り付け後の形状もエラが張ったようになっていて、容量の割に車体幅が広くなっている。ビーエム並になるのは20年後か。

・ボディカウル
今までのバイクは全てフルカウルモデルだったがムルティでは小さなスクリーンのみ。雨に突っ込んだら一瞬で濡れてしまった。 また、高速道では風を受けるため、1.5倍~2倍での連続走行などはきつい。 ヘルメットへの風圧がおでこに掛かるのだが、 これも辛い。


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■ 不具合・故障の発生内容
 
イタリアンの持病か、初期ロットの宿命か、辛い思いを体感中。検証不足による不具合・故障多発も問題だが、「他車での発生は無し」として、対応策を明らかにしないドゥカティジャパンのユーザー無視体質はさらに問題。

  1.エンジン回転のばらつき(息つき) 2010.08
    高速道などで顕著に体感できる。アクセル開度は一定なのに、1秒くらいの周期で回転数が変動するので楽しむどころか疲れてしまう。ディーラーがこの症状を認識し、改善まで長い時間と大変な気力を要した。
前後スロットルボディの精密調整にて症状は軽減。

  2.勝手に電源オン 2010.08
    駐車中、操作なしに電源がオンされてしまう。1分くらいで自動的にオフ。
ファームの改善で消えた。

  3.NO KEY表示 2010.08
    走行中にパネルに表示される。特に実害はないが、他の情報表示が得られない。
自然治癒(ファームの改善かも)。

  4.ナンバープレート部、リヤフェンダーのねじのゆるみ、脱落 2010.10
    ツーリング仲間よりぐらつきの指摘があり、ゆるんだ分をを閉め込むが、しばらくすると同様になってしまう。

  5.走行中のエンジンストール 2010.10
    かなり頻繁に発生(3時間毎)。走行中でもシフトダウンのため、アクセルを戻すとエンジンストール。これは危ない。初期にはエンジン調整が行われたが、予想通りファームのバグだった。
北米では2011年1月にリコール扱いだが、ドゥカティジャパンは長い期間放置。7ヶ月もの期間をおいてサービスキャンペーンとして改善。

  6.エンジン始動不可 2011.05
    電源が入らない。800km彼方からの電車帰宅を覚悟したが、取説によりFelicaのようにして自己解決。メーカーやディーラーと連絡が取れないGW中だったので大変だった。
改善策について「様子見」の指示はやる気なしと同意語。

  7.パニアケースから荷物が落下 2011.05
    高速道走行中に大きく車体が振られた。速度を落とし、車体を見るとケースのふたが開いている。ケースには180km/hリミットの表示があるが、そんな速度は出ていない。
サービスキャンペーン(防雨対策)として2個のバックルが追加されたが、ライン生産品への装着と同時に既存ユーザーへも提供すべきと思う。
そして開けにくいバックル形状は機能を置き去りにしたデザイン(見た目)優先設計。

  8.リヤサスペンションのプリロード不具合 2011.07
    電子制御サスのプリロードが掛からなくなってしまうというもの。
足つき性が良くなり、ヘッドライトは路面より遙か上を照らしてしまう。
走行モードを変えても、荷物設定を変えても変化なし。
一過性の症状であったが、その後、違和感が残った。
今回は処置が早く、サスとサス用コンピュータを交換。明らかに変化が感じられ、カチッとなった。

  9.フロントサスペンションのオイル漏れ 2011.08
    リヤサスの修理過程で発見された。シールの交換が行われたが、ツーリング前日での故障は悲しすぎる。

  10.不具合体験を振り返って 2012.12
    ・不具合発生時にはディーラー経由でドゥカティジャパンからの情報を得るわけだが、
 「他車での発生は無し。」と決まった回答が返ってくる。
・よって、不具合内容をディーラーに説明、あるいは証明が必要なわけだが、再現が難しい場合が多い。
・ドカティジャパンは本気で車両を調べようとしない。
 これはすでに症状を把握しており、その必要がないためと後々に感じた。
・不具合を訴えたときに「その事案は把握しており、対策が出来次第すぐに連絡する。」と
 伝えられたらどんなに楽だったか。
・対策がメディアで報じられるまで、ユーザーに連絡が来ることはない。
・走行中のエンストを訴えたときも知らんぷり、北米でリコールされていても知らんぷり、
 この危険な症状が対策されたのはサービスキャンペーンだった。ファームの改善に半年を要した。
・ドゥカティジャパンの社員は決して真実を語らず、沈黙を保つ。
 ユーザーからは嘘つきとも感じられるが、彼らは全くそのようには思っていない。

  11.ターンインジケーターの常時点灯 2013.10 走行17,000km
    トンネル内で気づくほどのぼんやりと常時点灯。
インストルメントパネルが一式交換されたが、オドメーターの値は引き継がれないため、
定期点検時期などで変換(交換時の走行距離をプラス)が必要となり、わずらわしい。
12,000km毎の点検アラームもディーラーでないと消去できない。

  12.ギヤ抜け 
    購入当初から発生。
シフトアップ時に5速に入らないことがある(ニュートラル状態)、発生率は10%~15%。
当初に修理をお願いしたが直ることはなく、17,000km走行の車検後も変わらず、持病と諦め。

  13.フロントサスペンションのオイル漏れ再発 2014.07 走行18,000km
    3年前の修理箇所からまたもやオイルが漏れ始めた。修理後の走行は5,000km程。
右は大丈夫だが、なぜ左だけなのか。
左右サスの均等性を保つため、二本のシールとオイルを交換。58K円の出費は辛い。


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■ 純正アクセサリー

  トップケース |  サイレンサー | ハイスクリーン
インナーバッグ | コンフォートシート
 

 トップケース
キャンプツーリングの必需品。容量は48リットル。GIVI製のようだが、開閉の際にキーが必須なのは不便。
せっかくの純正品なので、もっと低い位置のほうがスマート。


 サイレンサー
ドゥカティパフォーマンス取り扱いのテルミニョーニ製スリップオンサイレンサー。このバイクはエンジン後部にサイレンサーがあり、通常のサイレンサー部は単なる排気口となっている。よって、交換による体感差は少ない。
後に平成22年騒音規制適合品とアナウンスされた。93dB。


 ハイスクリーン
装備品はちょっと小さめなので交換。しかし、高さ15ミリのアップではほとんど変わらない。もっと大きいのが欲しい。


 インナーバッグ
フタが最中合わせのパニアではインナーバッグがないと荷物が入れにくい。また、パニアを外す必要がないのも利点。


 コンフォートシート
日本向け標準仕様のローシートからのあんこ抜きシートを使っていたが、長距離ツーではおしりが痛い。
慣れてきたこともあり、替えてみた。足つきの際、内股に当たる部分が細身にできており、ローシートより足つき性は良いように感じる。


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モディファイ

  無線機ナビゲーションシステムレーダー探知機ETCインカム
CR-1シート加工トップケース用インナーバッグ
チェンジペダルハンドルバー北米ECU
 

 無線機
ツーリング中も仲間との会話が出来れば、便利で楽しく、良いことばかり。
免許は必要だが、アマチュア無線が汎用性と通信距離で圧倒的に優位。
本気はバイク専用に作られた防水機。ブルートゥースにてインカムと接続。FM・AM受信機内蔵、外部入力も対応しているので、ナビとレーダー探知機も接続している。
機種は八重洲無線製FTM-10S。
アンテナはAZ510FM、AZ504FX、NR-77AM。


 ナビゲーションシステム
現在地を把握できるナビは旅の必需品。SSDとなって振動を気にせず使用できるようになった。薄型化や高速化、GPSアンテナの内蔵も嬉しい。機種は7インチ画面のサンヨーゴリラ。


 レーダー探知機
GPS搭載の四輪用ツーピースタイプを改造して使っていたが、二輪用にもやっとまともな製品が発売されたので新調。表示部とアンテナ部は防滴構造だ。サインハウスが販売するユピテル製。


 ETC
幸いにもシート下に物入れがあるのでそこに格納。アンテナはヘッドランプ横のヒューズボックスに入れた。


 インカム
有線方式からブルートゥースを利用した無線方式に変更(B+COM)。乗降車時のコネクタ抜き差しからは解放されたが、電源の投入・切断と夕刻の充電が必要になった。


 CR-1
バイク用ガラスコーティング。ディーラーにて納車前に施工。洗車が楽になるとの触れ込み。  


 シート加工
日本仕様標準装備のローシートからのあんこ抜き。クッションが薄くなり、快適性が失われたが立ちゴケ回避のためやむを得ない処置だ。


 トップケース用インナーバッグ
純正のインナーバッグはファスナーの位置が変で使い物にならない。この製品は形状もぴったりで、上が大きく開き、使いやすい。


 チェンジペダル AELLA
装備品はペダル先端までが遠すぎる。この製品は15ミリ短縮、さらにシフトフィーリングも向上させてくれる。


 ハンドルバー AELLA
多くのライダー不満を持つハンドル形状だが、専用品がやっと登場。鉄にクロームメッキは残念だがもう待てないので装着。幅40ミリショート、20ミリ手前、10ミリ低い。幅を狭くしながらウインドシールドとタンクとの干渉を避けるためにはこの形状しかなかったのだろう。
幅が狭くなり、ずいぶんと楽になった。時間をおいてアルミテーパータイプが販売されると思う。


 北米ECU
日本仕様は2010年4月の騒音規制適合のため、最高出力を6,000rpmに設定、102馬力の骨抜き仕様になっている。
車検非対応のフルエキ仕様もオプションとして用意されているが、北米用ノーマルECUに換装。
これで150馬力の本来の姿となり、上まで一気に回るようになった。当然ながら、騒音値については変化なし。

北米ECUの入手方法について多くの問い合せをいただくようになった。
友人が知人を介して入手してくれたので詳細は不明、現地購入かもしれない。